首が動かない、急に痛い
「ただの肩こり」だと思っていた37歳女性のケース
整骨院で仕事をしていると、
「肩こりは昔からあるんです」
という言葉を、本当によく聞きます。小学生から肩こりで・・って方もいらっしゃるくらい笑
今回来院されたのは、37歳の女性。
工場勤務で、立ち仕事と細かい手作業が多い方でした。
最初に話してくれたのは、こんな内容です。
「肩こりはずっとあったんですけど、
正直、もう慣れてました」
「でも、二日前くらいから急に寒くなったじゃないですか。
その朝、起きた時に“あれ?”って違和感があって…」
ここで大事なのは、
“急に痛くなった”わけではないという点です。
実際には、
・長年の肩こり
・仕事中の姿勢
・寒さによる血流低下
これらが積み重なった結果、
限界を超えたタイミングで症状が一気に表に出ただけ、
というケースでした。
首の痛みについて出典

昼から一気に悪化
「首が回らない」「振り向けない」
この患者さん、
朝はまだ「違和感」程度だったそうです。
ところが、勤務中の昼頃から状況が変わりました。
「だんだん首が動かしにくくなってきて、
午後には振り向くのがつらくなりました」
「無理に動かすと、
首の横から肩にかけてズーンと痛くて…」
来院時の状態を確認すると、
・首を右に回すと強い痛み
・右に倒す(側屈)動きがほぼ出ない
・首から肩にかけてパンパンに張っている
見た目にも、
「これは相当つらいな」
と分かる状態でした。
触ってすぐ分かった「原因の場所」
まず、触診で確認したのは
僧帽筋の上部と胸鎖乳突筋。
簡単に言うと、
・肩をすくめる筋肉
・首を横に倒したり回したりする筋肉
ここが、はっきり分かるくらい
ガチガチに緊張していました。
軽く触れただけで、
「そこ、めっちゃ痛いです」
と反応が出るほどです。
さらに姿勢を確認すると、
・頭が前に出る「前方頭位」
・肩が内に巻き込まれている
・首と肩が常に引っ張られている状態
長時間の作業姿勢が、
そのまま身体に残っている印象でした。
胸鎖乳突筋について出典

「急に寒くなった日」に起きやすい理由
ここで、患者さんにも説明しました。
「今回の痛み、
寒くなったのがきっかけなのは間違いないですね」
寒くなると、
・筋肉が縮こまる
・血流が落ちる
・疲労が抜けにくくなる
という変化が一気に起こります。
特に、
もともと肩こりがある人ほど、
こういうタイミングで一気に症状が出ます。
患者さんも、
「確かに、最近は忙しくて、
肩こりがひどいなとは思ってました」
と、少し思い当たる様子でした。
まずは「深いところ」から緩める
今回の施術で、
最初に行ったのは超音波治療です。
いきなり強く揉むのではなく、
・深部の筋肉を温める
・血流を先に確保する
・筋肉が緩みやすい状態を作る
これを優先しました。
首の前後、
特に緊張が強かった部分を中心に当てていくと、
「え?さっきより、首がうごきます」
と、その場で変化が出てきました。
手技で「引っかかり」を外す
超音波のあと、
次は手技療法です。
ここで意識したのは、
・力で押さない
・引っ張らない
・“逃げ道”を作る
首や肩は、
無理に動かすと逆に防御反応が出ます。
筋肉の流れに沿って、
少しずつ緊張をほどいていくと、
「動かすのが怖くないです」
と、患者さんの反応が変わってきました。
鍼治療は「ポイントを絞る」
最後に行ったのが鍼治療です。
今回は、
・過緊張していた部位
・痛みの引き金になっていたポイント
ここに必要最小限で行いました。
「鍼って初めてで、ちょっと怖かったんですけど…
全然大丈夫ですね」
という言葉が出たのも印象的でした。
鍼灸について出典
初回施術後の変化
施術後、
もう一度首の動きを確認すると、
・可動域は約70%回復
・動かした時の痛みは半分以下
・首を動かす恐怖感が消えている
患者さん自身も、
「来た時と全然違います」
「これなら仕事できそうです」
と、かなり安心された様子でした。
「ここで終わらせない」ための説明
最後に、しっかりお伝えしたのはこの点です。
「今回、楽にはなりましたけど、
これで“治った”わけではないです」
原因は、
・長年の姿勢
・仕事中の身体の使い方
・肩こりを我慢してきた積み重ね
ここを変えないと、
また同じことが起きます。
そのために、
・自宅でできる簡単なストレッチ
・仕事中に気をつける姿勢
・再発しやすいサイン
これを一つずつ説明しました。
患者さんも、
「確かに、
今まで何も気にしてなかったです」
と、納得された様子でした。
なぜ3回でここまで改善したのか
「首だけ」を見なかったことが大きい
今回のケースで、個人的に大きかったと感じているのは
「首だけを治そうとしなかった」という点です。
首が痛い、動かない。
そう聞くと、どうしても
「首が悪い」
と思いがちです。
でも実際は、首は“被害者”であることが多い。
この患者さんの場合も、
・肩が内に巻き込まれている
・頭が前に出た姿勢がクセになっている
・仕事中、同じ姿勢が長時間続く
こういった状態がずっと続いた結果、
首に負担が集中していただけでした。
なので施術でも、
・首を無理に動かす
・痛いところだけを何とかする
というやり方は、最初からしていません。
「首がつらい人ほど、首を触りすぎない」
これは経験上、はっきり言えます。
首が痛い人ほど、
首をグイグイ触られすぎていることが多い。
もちろん必要なアプローチはします。
でも、いきなり強い刺激を入れると、
・筋肉が防御反応を起こす
・余計に力が入る
・その場は良くても戻りやすい
こういう流れになりがちです。
だから今回は、
深部を温めて
流れを作って
最後にポイントを整える
この順番を大事にしました。
2回目来院時の変化が「答え」だった
2回目に来院されたとき、
患者さんが最初に言った一言が印象的でした。
「朝起きた時、
前みたいな怖さがなかったです」
痛みがゼロではない。
でも、
・動かすのが怖くない
・また悪化する感じがしない
この感覚が出ているかどうかは、
回復のスピードを大きく左右します。
動作確認をしても、
・前回より可動域が広い
・動きがスムーズ
・力みが減っている
「ちゃんと身体が覚えてきてるな」
という状態でした。
「治療+生活の修正」がセットで効いた
正直に言うと、
施術だけでここまで良くなったわけではありません。
この患者さん、
アドバイスをきちんと実行してくれました。
・仕事の合間に首を一度リセットする
・無意識に肩をすくめているのに気づく
・寒さ対策を意識する
これをやってくれただけで、
首と肩にかかる負担はかなり減ります。
「特別なこと」はしていません。
でも、
“気づいてやめる”
これができるかどうかは大きいです。
3回目でほぼ日常に支障なし
3回目の来院時には、
「仕事中も気にならなくなりました」
「首を動かすのが普通に戻ってきました」
という状態でした。
可動域も約90%以上。
痛みも、日常生活ではほぼ問題なし。
ここで無理に通院間隔を詰めることはせず、
・再発しやすい時期
・冷えや忙しさが重なるタイミング
ここだけ注意してもらいながら、
週1回のメンテナンスへ移行しました。
再発する人と、しない人の違い
これは首に限らずですが、
はっきりした違いがあります。
再発しやすい人
・痛みがなくなったら何もしない
・同じ姿勢を気にしない
・疲労を溜めきってから来院する
再発しにくい人
・「あ、ちょっと違和感あるな」で対処する
・身体のサインに早く気づく
・無理を続けない
今回の患者さんは、
後者のタイプに切り替わっていきました。
これは、施術者がどうこうというより、
本人が自分の身体に目を向けられるようになった結果です。
僕が大事にしていること
個人的に、
一番大事にしているのはここです。
「治す」よりも、
「分かってもらう」こと。
なぜ痛くなったのか
なぜ今出たのか
何を変えればいいのか
これが分かれば、
身体はちゃんと応えてくれます。
今回のケースも、
「ただの寝違えじゃなかったんですね」
と、最後に言われたのが印象的でした。
首や肩の痛みは「年齢のせい」ではない
37歳。
決して若くはないかもしれません。
でも、
「もう歳だから仕方ない」
「仕事柄しょうがない」
そうやって我慢する必要はありません。
ちゃんと理由があって、
ちゃんと順序を守れば、
身体はきちんと戻ります。
まとめ
・急な首の痛みは、積み重ねの結果
・寒さや姿勢が引き金になることが多い
・首だけを見ないことが改善の近道
・生活の中の修正が回復を早める
「そのうち治るだろう」と我慢する前に、
一度、身体の声を聞いてみてください。
違和感の段階で対応できれば、
痛みはここまで大きくなりません。
首でお困りの方、ぜひご相談ください!
吉田








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