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【野球の動きを爆発的に伸ばす“姿勢と軸”の話】
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どうも、宮本です。
今回はついに「野球編」に突入していくんやけど、いきなりフォームの話をしても効果は半減する。
まず身体の“前提条件”が整ってへんと、どれだけフォームを工夫してもパフォーマンスが跳ねへん。
走り方でもジャンプでも投げ方でも、全部の“根っこ”にあるのは 姿勢 と 軸。
野球は特に顕著で、構えの姿勢一つで投球もバッティングもスローイングも変わる。
今回はその「身体の使い方の基礎」を徹底的に深掘る。
この基礎が腹に落ちると、今後の野球の動作理解が段違いで楽になる。
では行こか。
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◆ 自然体で立つことの本当の意味
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まず大前提として、
野球でもテニスでも格闘技でも、すべてのスポーツは 立つところから始まる。
これを軽く見るかどうかで、パフォーマンスがガラッと変わる。
みんな「正しい姿勢=胸を張る・背筋ピーン」と思いがちなんやけど、
これはむしろパフォーマンスを落とす“力み姿勢”になりやすい。
本来の正しい姿勢はこうや。
・呼吸が楽で
・脱力しつつ
・すぐ動き出せる状態
つまり、
「いつでも動ける立ち方=自然体」
これは学校の朝礼で立ってるみたいな“気をつけの姿勢”とは真逆で、
もっと“ぬるっと動き出せるニュートラル姿勢”のこと。
野球やってた人なら分かると思うけど、
外野の準備姿勢も内野の“あの軽い前傾の構え”も、リラックスしながら微妙に緊張してるやろ?
あれが自然体。
◆ 自然体をつくる最大のポイントは「土踏まずを地面に並行で使うこと」
これは一般の人にはあまり知られてないけど、
土踏まずが並行に接地して、その真上に身体が乗る状態こそ人間が一番“楽に安定する姿勢”。
土踏まずが潰れていたり、左右差が大きい選手は、
いくら練習してもフォームが安定しにくい。
足が傾く → 膝がねじれる → 股関節が固まる → 体幹がブレる → スイングや投球が乱れる
この負の連鎖は、想像以上に多くの選手が抱えてる問題や。
だから自然体を作れる選手は、
“姿勢に無駄がない=力の方向がブレない=技術向上が速い”
というサイクルに入る。
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◆ 「軸」とは何か?
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姿勢の次に重要なのが「軸」。
この軸という言葉、スポーツ界ではめちゃくちゃ使われるのに、
正しく理解されている人は意外と少ない。
軸とは
骨格が理想的な連携をした状態で身体が安定していること
つまり、“各パーツが無理なく繋がっている姿勢”のことや。
ここで出てくるのが前回にもあった
5ポイント理論です。分からないかたはこちらのブログをお読みください。
頭・胸郭・骨盤・膝・足
このラインのどこをどう揃えるかで、
動作の発揮力が大きく変わってくる。
単に「軸を作れ!」と言うても、
筋肉で作るんじゃない。
力むんじゃない。
脱力したまま骨で作る“骨格主導の軸”
これが本物の軸。
もし軸の感覚がつかめてない人は、
・スイングが体幹とバットが離れる
・投球で肩が開きすぎる
・守備の動きが硬い
・ステップが遅い
こんな症状が出る。
逆に軸ができている選手は、
“動きがしなやかで精度が高い”。
プロ野球選手の動きを見ると、
どれだけ個性的なフォームでも必ず軸が通っている。
軸があるからこそ個性が生きる。
軸と投球動作についてはこちら
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◆ 「首幅」で動くとはどういうことか?
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これ、知らない人多い。
でも野球動作を理解するうえで、めちゃくちゃ重要や。
人間が重心移動できる幅は「首の幅」とほぼ一致する。
つまり、身体が安定して動ける“安全領域”が決まってるってことや。
この首幅のラインを下まで下ろすと、
左右の股関節の幅に一致してくる。
だから、
・構えが広すぎても狭すぎても
・軸は絶対に安定しない。
これを知らんと、
選手が自分に合わないフォームで悩むんよな。
そして、この首幅の上に頭が垂直に乗る姿勢を
トップ・オン・ドーム
と言う。
この姿勢が作れる選手は、
・投球の始動がスムーズ
・スイング軌道が安定
・守備の一歩目が速い
という“競技力の芯”がグッと固まる。
投球と身体の関係はこちら
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◆ 道具は胸の前に置く=体幹主導の動き
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これは野球特有ではなく、すべてのスポーツで共通。
野球なら
・グローブは胸の前
・バットも胸の前で扱う
・構えも胸の前で準備する
テニスでも
ラケットは必ず胸の前。
サッカーも
キック以外の大半は胸郭の安定が指揮をとってる。
道具を胸の前に置くことで、
体幹のスペースを使えるようになり、
“手で道具を動かすんじゃなく、身体が動くから道具がついてくる”
という状態になる。
これができる選手は、
・ミスショットが減る
・手打ちが消える
・肩の開きが遅くなる
・球に対する反応速度が上がる
という恩恵がある。
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◆ このあと野球の投球・打撃・守備に入る理由
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投球フォームだけ、バッティングだけを説明しても
それは“表面だけの技術”になる。
技術って本来は
身体の準備(姿勢+軸)→ 動作(技術)
の順番で発揮される。
基礎が整ってないままフォームを学ぶのは、
土台のない家に壁を立ててるのと同じ。
すぐ崩れるし、応用がきかん。
だから宮本としても
「まず姿勢と軸を入れてから野球動作に入る」
という順番は絶対。
プロ選手も全員これをやってる。
高校・大学・社会人で伸びる選手は例外なく姿勢と軸を理解してる。
逆に、この基礎が欠けてると伸び悩みが早い。
【4スタンスで読み解く野球のカラダ 後半】
野球って、ただバット振ってボール投げるだけのシンプルなスポーツに見えて、実はめちゃくちゃ“身体の原理”が詰まっている。4スタンス理論でそれを読み解くと、選手のクセや個性が「欠点」じゃなく「武器」に変わる。ここからは、その武器の磨き方をもうちょい深く掘っていく。
◆ バッティングに隠された“二段構え”の秘密
前半でも触れたけれど、バッティングには「構え」が2回出てくる。
ここが分かると、フォームを見る目が一気にプロっぽくなる。
最初の構えは“静”。
ピッチャーとタイミングを合わせつつ、自分の打つゾーンを設定するフェーズ。
二つ目の構えは“動”。
テイクバック〜スイングに入る瞬間、身体の軸が再調整される時間だ。
フォームが崩れる子の多くは、この二段構えのどこかでバランスを崩している。
・テイクバックが早すぎ
・身体を割るタイミングがズレる
・首幅から外れて体幹が浮く
この3つのどれかが起きると、ミートがズレたり、差し込まれたり、引っ張り込んだり…悪循環に入る。
逆に言うと、自分のスタンスに合った“二段構え”が作れれば、スイングの質は驚くほど安定する。
◆ 捕球〜スローイングは“つなぎの技術”
野球は「止める・投げる・打つ・走る」の繰り返し。
その中で、捕球からのスローイングは“つなぎの部分”だから軽視されがち。でも、ここが下手だと守備が全部崩れる。
ポイントは3つ。
1️⃣ 捕球した瞬間、肩の高さ・骨盤の回転・膝の向きがバラけない
2️⃣ グラブを真ん中に集める“トップ・オン・ドーム”で次の動作に移る
3️⃣ 余計な一歩を踏まない
特に3つ目は、少年野球でめちゃくちゃ多い。
捕ってから「えいっ!」と助走して投げる子。あれ、全部ロス。
身体がまとまれば、肩の回転だけで投げられる。時間も短縮するし、正確性も上がる。
◆ フォームは「正す」ものじゃなく「見つける」もの
ここからが4スタンス理論の真骨頂。
昔なら監督にこう言われたはず。
「もっと肘あげろ!」
「脇を締めろ!」
「バットはこう振れ!」
でも、これだけは胸を張って言わせてほしい。
そのフォーム、あなたに合ってない可能性があります。
プロでも型は違う。
・王さんの一本足打法
・イチローの振り子打法
・落合さんの神主打法
・種田のガニ股
・野茂のトルネード
・岡島のあっち向いてホイ
どれが正解か?
全部正解。
その人に合ってるから勝てた。
4スタンスは「その人に合ったフォームを探す道具」なんだよね。
◆ 「◯◯打法」「◯◯投法」は、あなた自身が作るもの
野球って、身体と脳のクセがめちゃくちゃ出るスポーツ。
だから、型にはめればはめるほどパフォーマンスが落ちる子もいる。
・軸足が外側に流れやすい
・テイクバックが深く入りやすい
・前足の開きが早い
・手首が柔らかい
・上半身の面の入れ替えが速い
これ全部、その人の個性であり可能性。
だから宮本的には、
「自分のフォームを作る」という意識を持った方が絶対に強い。
もし打撃不振に陥ったら、
「自分の4スタンスタイプに、フォームが合っているか?」
これを見直してみて。
そこから新しい打法や投法が生まれてくる。
あなたの“名前”がつくフォームになるかもしれない。
それってちょっとワクワクしません?
◆ あとがき
4スタンスを知ってから、スポーツの見え方が本当に変わった。
そして息子の野球を見てても、
「みんな同じフォームにしようとしすぎちゃうなぁ」
って思うことが多い。
大事なのは、
身体が使いやすいかどうか。
“正しいフォーム”じゃなくて“その子のフォーム”。
これさえ押さえれば、才能って自然と出てくる。
次回は、ピッチャーとバッター、それぞれの4スタンスタイプ別の動き方について、もっと踏み込んで書くつもり。
息子の成長観察日記みたいなところも混ざると思うので、ゆるっと読んでみてください。








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