野球肘を早期発見早期治療することが大事な訳

 

少年野球で起こる肘のスポーツ障害

こんにちは、宮本です。

今回も前回に引き続き、少年野球などで発症するスポーツ障害の中でも、特に肘に起こる症状について書いていきます。

前回は、いわゆる「野球肘」とはどのようなものなのか、なぜ子供の肘に起こりやすいのかについて説明しました。

今回はさらに一歩踏み込んで、動き(動作)に注目しながら、チーム内でできる予防策、そして早期発見・早期治療の重要性についてお話ししていきます。

野球肘は「ある日突然起こるケガ」ではありません。

多くの場合、日々の投球動作の積み重ねの中で、少しずつ負担が蓄積して発症します。

だからこそ、動きや環境を理解することがとても大切になります。

野球肘のメカニズム出典


野球肘になりやすいポジション

前回もお伝えしましたが、野球肘の主な原因はオーバーユース(使いすぎ)です。

チーム練習だけでなく、自主練習での投球、

お父さんとのキャッチボール、

友達と公園での野球。

こうした積み重ねも含めると、子供は思っている以上にボールを投げています。

その中でも、どうしても圧倒的に投球数が多くなるポジションがあります。

それがピッチャー、つまり投手です。

言うまでもなく、このポジションは野球肘になりやすい代表格です。

試合でも練習でも、投球の中心になるため、肘にかかる負担は他のポジションとは比べものになりません。

次に野球肘になりやすいのが内野手

その次がキャッチャーだと言われています。

内野手は短い距離での素早い送球が多く、

キャッチャーはスローイング動作に加え、常に肘を使う姿勢が続きます。

ただし、ここで勘違いしてほしくないのは、

「ピッチャー以外なら安心」というわけではない、という点です。


野球肘を誘発する5つのリスク

野球肘などの投球障害を引き起こすリスクは、大きく5つに分けることができます。

一つ目:個体差

これは非常に重要なポイントです。

身体の成長度合い、骨の発達、柔軟性、筋力、さらには性格までも関わってきます。

関節の柔らかさや、もともとの関節の形などは、生まれ持った要素もあります。

同じ練習量でも、痛みが出る子と出ない子がいるのは、この個体差が大きく影響しています。

だからこそ、自分の身体を知ることが大切になります。

二つ目:コンディション

その日の身体の状態です。

疲労感、だるさ、違和感、軽い痛み。

疲労であれば、ある程度コントロールすることは可能です。

しかし、違和感や痛みは、無理にコントロールしようとすると悪化しやすくなります。

「ちょっと変やな」と感じた時点で、注意が必要です。

三つ目:投球数

一日あたり、どれくらい投げているのか。

これを把握しておくことはとても重要です。

さらに大切なのが、投球数だけでなく、投球の間隔です。

連日投げていないか、十分な休養が取れているか。

これも肘への負担を左右します。

四つ目:投球強度

投球数が少なくても、常に全力投球では肘への負担は大きくなります。

試合中のペース配分、

練習中の力加減。

自分が今、何割くらいの力で投げているのかを意識できることが大切です。

また、少年野球では変化球を禁止していることが多いですが、

これは肘や肩への負担が大きいからです。

ストレートを投げたときの肘への負担を100とすると、

スライダーでは約104の負荷がかかると言われています。

成長期の身体への影響を考えれば、禁止されている理由は十分に理解できます。

五つ目:投球動作

最後は投球フォームです。

ここで注意してほしいのは、

正しいフォームかどうかではなく、

その子の身体に合ったフォームかどうかという点です。

フォームや打ち方には個人差があります。

見た目が綺麗なフォームでも、その子の身体に合っていなければ、負担は大きくなります。

野球肘要因出典


どんな動きが野球肘を誘発するのか

投球動作の中で、肘から先は

・前腕の回旋

・手首を掌側に曲げる動き

・人差し指と中指でボールに力を伝える動作

が組み合わさっています。

このとき、

肘の内側では筋肉が強く引っ張られ、

外側では関節が圧迫され、

後方では関節同士が押しつぶされます。

これが繰り返されることで、肘に障害が起こります。


早期発見・早期治療の重要性

「早く見つけて、早く治した方がいい」

これは誰でもわかる話ですが、理由はそれだけではありません。

野球肘などの投球障害は、野球を続ける限り付きまとう問題です。

そして、子供の頃に受けたケガは、大人になってからも影響します。

子供の身体を土台にして、大人の身体は作られます。

だからこそ、将来も野球を続けてほしいのであれば、早期対応が必要です。

野球肘で多い内側の症状では、

手首を動かすだけで痛みが出ることもあります。

手首は日常生活でも頻繁に使います。

野球をやめた後も、痛みが残る可能性がある。

これはとてもつらいことです。


チーム内でできる予防策

チームで大切なのは、痛いときに痛いと言える環境です。

そのためには、大人のこまめな声かけと、一人一人を見てあげることが欠かせません。

痛みがプレーにどれだけ影響するのか、

将来にどんな影響を与えるのか。

それをきちんと伝えてあげることも、予防につながります。

 

このブログは柔道整復師の宮本が「少年野球などで発症するスポーツ障害の中で特に肘に起こる症状」について前回に引き続き書いています。

 

今回はより動き、つまり動作についてとチーム内でできる予防、早期発見早期治療の重要性について書いていきます

少年野球で起こる肘のスポーツ障害



前半では、野球肘になりやすいポジションや、投球障害を引き起こす5つのリスク、そして野球肘を誘発しやすい動作についてお話ししました。

後半ではさらに踏み込んで、

・実際にどんなサインを見逃してはいけないのか

・痛みが出たときに周囲が取るべき行動

・なぜ早期発見・早期治療がそこまで重要なのか

について整理していきます。


野球肘は「我慢できてしまう」障害

野球肘の厄介なところは、我慢できてしまう痛みから始まることが多い点です。

最初は

・少し違和感がある

・全力で投げたときだけ痛い

・投げ終わったあとにちょっと重い

この程度の症状であることがほとんどです。

この段階では、子供自身も

「投げられないほどじゃない」

「試合には出られる」

と判断してしまいます。

そして

・レギュラーを外されたくない

・チームに迷惑をかけたくない

・せっかく調子がいいのに休みたくない

こうした気持ちが重なり、痛みを隠してしまうことが多いのです。

ですが、野球肘は我慢しながら続けていい障害ではありません

我慢すればするほど、肘へのダメージは確実に蓄積していきます。


見逃してはいけないサイン

親御さんやコーチが特に注意して見てほしいサインがあります。

・投球後に肘を気にする仕草が増えた

・ボールを投げるスピードが落ちてきた

・コントロールが急に悪くなった

・全力投球を避けるようになった

・練習後や翌日に肘の違和感を訴える

これらは、技術の問題ではなく、身体からのサインであることが多いです。

また、

・急に練習を休みたがる

・キャッチボールの回数を減らしたがる

といった行動の変化も、注意が必要です。

「やる気がない」のではなく、

「やりたいけど痛い」

という可能性を考えてあげてください。


痛みが出たときに最優先すべきこと

肘に痛みが出たとき、最優先すべきことはひとつです。

投げる動作を止めること。

「少し軽めに」

「今日は様子見で」

では足りません。

特に、痛みが出ている側の腕での投球は、きっぱり中止する必要があります。

そのうえで、

・どんな動きで痛みが出るのか

・投げた直後なのか、翌日なのか

・腫れや熱感はないか

こうした情報を整理しておくと、その後の診察がスムーズになります。


早期発見・早期治療がなぜ重要なのか

「早く見つけて、早く治す」

これは誰でも理解できることですが、野球肘の場合は特に意味があります。

野球肘は、成長期の肘に起こる障害です。

つまり、成長途中の骨や軟骨がダメージを受けるということです。

子供の身体は、そのまま大人の身体の土台になります。

成長期に受けたダメージは、形を変えて将来に影響することがあります。

野球を続けるかどうかに関わらず、

肘は日常生活でも使い続ける関節です。

野球肘で特に多い内側の症状では、

手首を動かしたときに痛みが出ることがあります。

・ドアノブを回す

・物を持ち上げる

・雑巾を絞る

こうした何気ない動作でも痛みが出るようになると、生活の質は大きく下がります。

早期発見・早期治療を行うことで、

こうした将来的な影響を最小限に抑えることができます。

野球肘リハビリ出典


チーム内でできる具体的な予防策

チームで野球肘を予防するために、特別な道具や知識は必要ありません。

一番大切なのは、環境づくりです。

まず、

痛いときに「痛い」と言える雰囲気を作ること。

これは、大人の関わり方ひとつで大きく変わります。

・日頃からこまめに声をかける

・結果だけで評価しない

・無理を美徳にしない

こうした積み重ねが、子供の安心感につながります。

また、

「痛みを我慢してプレーすると、パフォーマンスは必ず落ちる」

「早く治した方が、結果的に長く野球ができる」

ということを、子供にもわかる言葉で伝えてあげてください。


野球肘は「予防できる障害」

野球肘は、すべてを防げるわけではありませんが、

リスクを下げることは十分可能な障害です。

・投球数の管理

・休養日の確保

・コンディションの把握

・フォームの確認

・周囲とのコミュニケーション

これらを意識するだけでも、肘への負担は大きく変わります。

野球肘は、少年野球において避けて通れない問題のひとつです。

ですが、正しく理解し、早く気づき、適切に対応すれば、未来を守ることができます。

ポジションによる差はありますが、

個体差やコンディションによって、誰にでも起こり得る障害です。

「ピッチャーじゃないから大丈夫」

「まだ小さいから平気」

そう思わず、常に肘の状態に目を向けてあげてください。

しっかりとリスク管理を行い、

子供たちが楽しく、長く野球を続けられる環境を作っていきましょう。

当院でも、野球をしている子供たちのケアを行っています。

気になる症状があれば、早めにご相談ください。



宮本

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