あなたの言葉が子供の一生を決める 子供が伸びるスポーツの声かけとは?

 

 

 

【子どものパフォーマンスを伸ばす“声かけ”──前半】

緊張に弱い子どもをどう支えるか**

大事な試合の日、大事なテストの日、発表会の日。

あの独特の雰囲気って、大人でも胃がキュッとなる。

子どもならなおさらで、体はガチガチ、頭は真っ白、心臓はドラム。

私自身がめちゃくちゃ緊張しやすいタイプで、

「なんでこんなに心がザワつくねん」って、昔は悩んでました。

ところが大人になって治療の仕事をするようになり、

さらに子どもを持つようになって気づいたんです。

“緊張そのものが悪いんじゃない。

緊張した時に大人が何を言うかで、子どものパフォーマンスは天国にも地獄にも転ぶ”

これはほんまにそう。

良かれと思ってかけた言葉が、笑えるくらい逆効果になっているケース、腐るほど見てきた。

逆に「この一言かけただけで、この子こんな変わるん?」って瞬間も同じくらいある。

今回のテーマはまさにそこ。

子どもがスポーツに夢中になる声かけ、

パフォーマンスが上がる声かけ
について、本気で書いていく。

ベースになっているのは「辻式メンタルトレーニング」。

専門家の理論を噛み砕いて、現場で使える形に落とし込んで説明していきます。

声掛けとメンタルについてはこちら


 声かけとはなにか?

──子どもの“心のスイッチ”に触れる技術**

人のパフォーマンスは、ざっくり言うと2つで決まる。

①何をするか(行動)

②どんな心でそれをやるか(メンタル)

例えば野球なら、

  • バッティング練習をする

  • 守備のノックをする

  • 全力で走る

これが「何を」。

一方で、

  • 楽しい気持ちでプレーしている

  • 緊張と不安で押しつぶされそう

  • イライラして集中できない

これが「どんな心で」。

どれだけ技術が高くても、

心の中がグチャグチャならパフォーマンスは上がらない。

逆に技術がそこそこでも、

心が整っている時は驚くほど動ける。


 フローとノンフロー

── 実は“機嫌”でスポーツの出来は決まる

メンタルトレーニングの世界では、

  • 機嫌が良く、気持ちが乗っている状態

     → フロー状態

  • 心が乱れて不機嫌・不安定な状態

     → ノンフロー状態

と呼ぶ。

そして残酷な真実を言うと、

子どもはすぐノンフローになる。

めちゃくちゃすぐ。

試合会場が暑かっただけで乱れたり、

ボール拾いを注意されただけで乱れたり、

友達の一言で一気に冷めたり。

それくらい心は揺れやすい。

でも逆にいうと、

ちょっとした一言でフローに戻る。

ほんの数秒で立ち直る。

これが声かけの力。

親や指導者が言葉を変えるだけで、

試合のパフォーマンスは別人みたいに変わる。

そしてその極限が「ゾーン」。

世界がスローモーションに見え、

ボールが止まって見えるあの状態。

そこに入る入口も、

実は日常の“声かけ”が作っている。


 声かけを間違えると何が起こる?

── 良かれと思ってやってる言葉ほど、子どもを潰す**

ほんまによく聞く言葉がある。

「今日は大事な試合やぞ」

「しっかりやれよ」

「ミスしたらあかんで」

これ、多くの大人が“励まし”のつもりで言ってるけど、

実はほぼ全部ノンフロー製造ワード。

理由はシンプル。

大事と言われた瞬間、

「失敗できへん」というプレッシャーが発生する。

脳が固まり、呼吸が浅くなり、

体の動きがぎこちなくなる。

つまり、

「緊張しないでね」と言いながら

子どもの緊張を最大限に引き上げている

という構図。

これは親が悪いわけじゃない。

昔のスポーツ文化がそうだっただけの話。

でも令和の今は、心の扱い方が研究されまくってて、

もう完全に答えが出ている。

強い子ども=“心が整いやすい子ども”

身体能力でも、技術でもない。

心の交通整理が早い子は、ミスしてもすぐ戻れる。

ここから先は、具体的に「どう声を変えるのか」を話す。


**◆ 【例題】試合前の声かけはどうする?

── 大事な朝、何を言うべきか**

Q1.

試合当日の朝、子どもが起きてきた。

緊張しやすい子なので、励ましたくてこう声をかけた。

「おはよう。今日は大事な試合やな。張り切って行こう!」

さてこれは 〇か ×か

答えは……×

やらかしてます。

なぜか?

“大事”と意味をつけられた瞬間、心がザワつくから。

本人は黙ってても、内心では

  • 「失敗できへん」

  • 「緊張してきた」

  • 「やばい…どうしよう」

こうなる。

じゃあ正解は何なのか。


◆ 試合前の正しい声かけ

一番いいのは、これ。

「おはよう。さ、顔洗って朝ごはん食べよか」

シンプルすぎる?

いや、これが一番いい。

理由は簡単。

いつも通りの日常に戻すため。

緊張とは“非日常”。

だから、あえていつも通りの朝を演出する。

イチローが毎朝カレーを食べていたのも同じ理屈。

「普段通り」が心を整える。

もし試合について少し触れたいなら、

「今日やること、頭の中で整理できてる?」

これが最強。

試合の“意味”ではなく、

“やること”に意識を戻すから、

スッとフロー状態に入れる。


 朝の出発時の声かけは?

── この一言で台無しになることもある**

Q2.

支度が終わって、家を出る瞬間。

「いってらっしゃい。今日はしっかりやりなさいよ!」

これは 〇か ×か?

答えは……**×。

またアウト。

“しっかり”という言葉は抽象的すぎて、

子どもの脳はどう処理していいか分からない。

  • 何をしっかり?

  • どこをしっかり?

  • 何が正解?

こうして混乱が始まり、

ノンフローへ落ちる。

正解はこう。

「自分がやるべきことを、しっかりやっておいで。」

この“やるべきこと”という具体性が大事。

さらに、緊張してる時には裏技がある。

「好きな食べ物、何やったっけ?」

これ、冗談みたいに思えるけど、

心を一気にフローへ戻す“魔法の言葉”

好きな食べ物を考えた瞬間、

脳が“快”に切り替わるから。


【子どものパフォーマンスを伸ばす“声かけ”──後半】

ミス・スランプ・試合中・試合後…場面別で最強の声かけ

前半では、子どもの心を整える“声かけの基本”を話した。

後半ではもっと実戦的な、スポーツの現場で使える具体的な声かけを書いていく。

前半を読んで気づいた人もいると思うが、

声かけの本質は「心をフローに戻すこと」。

つまり、

① 子どもの心が乱れる瞬間を見抜く

② その乱れを“数秒”で整える言葉をかける

スポーツの現場では、プレイそのものよりも、

この“心の処理”のほうがパフォーマンスに直結する。

では場面別に入っていく。


 ① ミスした直後の声かけ

── ミスへの対応で子どもの未来が決まる**

子どもが一番ノンフローに落ちる瞬間。

それが「ミス」。

しかも小学生〜中学生は、大人が思う10倍くらい落ち込む。

そして親のほとんどが言いがちなNGワードはこれ。

「なんであんなミスしたん?」

「集中してないからや」

「次は絶対ミスしたらあかんで」

全部アウト。

ミスした子どもの脳の中は、

  • やってしまった

  • 監督に怒られた

  • もう嫌や

  • 自分が悪い

  • 迷惑かけた

こんな感情で埋まってる。

そこに“追い詰める系の言葉”を投げると、

その子の中の火は一瞬で消える。

じゃあ正解は何か?


◆ ミス直後の最強ワード

「よし、切り替えよう」

「まだ試合は続いてるよ」

「次の一球、どうする?」

「今のプレーから何を学べる?」

この4つは全スポーツで使える“万能薬”。

特に、

「次どうする?」

この言葉が強い。

ミスは過去。

意識を未来へ向けると、脳はフロー状態に戻る。

大人でも同じで、仕事の失敗を引きずる人は

“次どうする”と考えられていない。

ミスの瞬間こそ、

子どもの未来のための“最大の声かけチャンス”。


 ② スランプの時の声かけ

── 子どもは才能を失っているのではなく、心が疲れているだけ**

誰でもスランプは来る。

  • 打てない

  • 投げられない

  • ミスが続く

  • 楽しくなくなる

親としては助けたいが、

焦ってアドバイスすると逆効果。

NGワードはこれ。

「最近どうしたん?」

「真面目にやってる?」

「気持ちの問題ちゃうか」

「練習が足りてないんと違う?」

全部、子どもをノンフローへ突き落とす。

スランプ中の子どもは、

“自分でも理由が分からない”状態。

だから親に原因を聞かれると、

ますます混乱して落ち込む。

じゃあどう声をかける?


◆ スランプの時の正しい声かけ

「最近、体しんどくない?」

「よく頑張ってるやん」

「今は積み上げてる時期やで」

「焦らんでいいで」

スランプの正体は

技術の問題ではなく“心の疲労”

子どもは大人より刺激に敏感で、

成長期は身体的ストレスも重なる。

だから“責める言葉”ではなく

“寄り添う言葉”が必要。

特に、

「焦らんでいい」

これは強力。

焦り=ノンフロー

落ち着き=フロー

スポーツで成功する子は、

“心の復元力が高い子”。

その土台を作るのは親の声かけ。

ポジティブトークの効果についてはこちら


 ③ 試合中に崩れかけた時の声かけ

── たった3秒で流れは変わる**

試合中の声かけは超重要。

とくに野球・サッカー・バスケのような試合では、

“流れが悪い時間”が必ず来る。

その時に言ってはいけない言葉。

「なんでそうなるん」

「ちゃんと見てる?」

「集中集中集中!」

集中はお願いするものではなく、

自然と起きる状態。

焦って「集中して!」と言われるほど、

人間は集中できなくなる。

じゃあ何と言えばいい?


◆ 試合中に効く最強ワード

「落ち着いていこ」

「呼吸、戻して」

「いいよ、その調子」

「次のワンプレーに集中」

心を整える最短ルートは呼吸。

だから

「呼吸戻して」

これはめちゃくちゃ効く。

スポーツ科学でも証明されていて、

呼吸が整う=自律神経が整う=ミスが減る。


**◆ ④ 試合後の声かけ

── 勝ち負けより“未来の伸びしろ”を作る時間**

試合後の声かけは、

1日の中で“最も重要”。

でも多くの親がやってしまうNGワードはこれ。

「なんであの場面で…」

「もっとこうしたらいいのに」

「今日はひどかったな」

これは完全にアウト。

子どもはすでに自己評価で落ち込んでいる。

そこに追い打ちをかけると、

スポーツが嫌いになる。

では正解は?


◆ 試合後の正しい声かけ

「今日はよく頑張ったね」

「あのプレー良かったよ」

「次はどんな練習したい?」

「今日は何が楽しかった?」

特に最後の

「今日は何が楽しかった?」

これは子どもの脳をフローに戻す最強ワード。

楽しかった記憶は、

“またやりたい”につながり、

上達スピードが跳ね上がる。


**◆ ⑤ 親自身がイラッとした時の“セルフ声かけ”

── 親の感情が子どもの未来に直結する**

親だって人間。

イラつく時はイラつく。

  • ミス続き

  • 不真面目な態度

  • 練習に身が入ってない

  • 返事が悪い

このとき親が感情任せに話すと、

その瞬間、子どもはノンフローに落ちる。

だから親自身にも“声かけ”が必要。


◆ 親へのセルフ声かけ

「今は俺(私)が乱れてる」

「落ち着いたら話そう」

「今は言わんでいい」

この3つを心の中で唱えるだけで、

子どもへの声が必ず優しくなる。

親の心が整えば、

子どもの心も短時間で整う。


**◆ ⑥ 「今、するべきことをしよう」

── 日常生活で一番使える魔法の言葉**

辻式メンタルトレーニングで繰り返し出てくるフレーズ。

「今、するべきことをしよう」

これを家でも、勉強でも、スポーツでも使ってほしい。

これは、

  • 過去への後悔

  • 未来への不安

この2つで乱れている心を

今この瞬間に戻す言葉。

英語で言うと、

“Just Do It.”(ナイキ)

直訳は「ただやろう」。

意味付けをしない。

難しくしない。

小細工しない。

この“心のシンプルさ”が、

フローへの最短ルート。

スポーツも仕事も人生も同じ。


**◆ まとめ

── 子どもの才能は“声かけ”で開く**

前半と後半を合わせて、

声かけの本質はひとつだけ。

子どもをフロー状態に導く。

ただそれだけ。

そしてフロー状態は、

  • 最高のパフォーマンス

  • 最大の集中力

  • 楽しさ

  • 成長速度

  • 自己肯定感

全部の土台になる。

技術指導より先に、

心の扱い方を知ることが

子どもの才能を最速で開く。

スポーツでも、勉強でも、人生でも。

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